司法書士さくら夙川事務所

司法書士が解説する財産分与の手続き

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司法書士が解説する財産分与の手続き

司法書士が解説する財産分与の手続き

2024/11/12

財産分与は、夫婦関係の清算の局面に行われる手続きです。夫婦が共同で築いた財産を公平に分けるためのものですが、我々司法書士事務所にもその手続き依頼が寄せられることがあります。本ブログでは、司法書士としての専門的な視点から、財産分与の基本的な流れや注意点を詳しく解説します。どのような財産が対象となるのか、分与の方法や注意点、さらには合意形成のためのポイントについても触れていきます。離婚に伴う財産分与は、多くの人にとって精神的にも負担が大きいものです。そこで、このブログを通じて、少しでも多くの方が適切な知識を持ち、円滑に手続きを進められるようにお手伝いができれば幸いです。

目次

    財産分与の重要性とは?離婚時に知っておくべき基本知識

    離婚時の財産分与は、夫婦が共同で築いた財産をどのように分けるかを決定する重要な手続きです。財産分与の対象となる財産は、婚姻期間中に夫婦で築いた財産に限定されます。不動産、預貯金、車両などが対象になります。将来支払われる退職金や年金についても財産分与の対象となることがあります。婚姻期間中に築いた財産ということがポイントで離婚後に取得した財産や婚姻前から所有していた財産は対象になりません。適切な知識を持ち、冷静に手続きを進めることで、精神的な負担を軽減し、トラブルを回避できます。

    夫婦の財産を見極める:どの財産が対象になるのか

    婚姻期間中に夫婦の一方が受けた贈与や相続財産は、「特有財産」として財産分与の対象になりません。例外的に共有財産となっている場合は対象となるケースがあります。例えば、相続した土地の上に夫婦の共有名義の建物を建てたような場合、あるいは、贈与を受けた財産を配偶者名義で運用していたような場合です。我々司法書士の元に相談に来られる方で圧倒的に多いのが不動産を財産分与されたい場合です。夫婦の婚姻期間中に取得した不動産で、住宅ローンを利用して建てた自宅の場合、当然財産分与の対象になります。

    分与方法の選択:公平な分配を目指す

    財産分与の方法について、「現物分割」、「換価分割」、「現金による調整」があります。この点は相続が発生した場合の遺産分割の方法に似ています。また上述したとおり住宅ローンなどが残っている場合、不動産を引き継ぐ代わりに住宅ローンを継続して支払う、という調整がされることも多くあります。その場合、不動産については当然に財産分与を受ける方名義に所有権の移転登記を行いますが、抵当権の債務者についても免責的債務引受という契約で財産分与を受ける方に変更することが多くあります。離婚して財産分与を行った相手方は銀行とのローン契約においても当事者を外れることになります。

    注意したい財産分与の対象となる財産

    不動産については、名義変更という手続きが煩雑ではあるものの、比較的当事者の方の清算の意識が高く、話し合いのテーブルに載りますが、注意しておきたい財産が、退職金と年金です。退職金については、退職予定の時期がちかかったり、公務員や一部上場企業であるなど退職金が支払われる蓋然性が高い場合には夫婦の合意の元に財産分与の対象とするケースがあります。実際に支給される退職金額を対象するケースや予想退職金を考慮して清算する場合もあると考えます。まだ退職金が支給されていない場合で財産分与の対象とすると実際に離婚した相手が支払ってくれるのか、という不安が発生します。その場合には財産分与の取り決めを公正証書にして、執行認諾条項を付けることで、金銭の支払いに強制力を持たせることができます。同様の問題で将来の年金受給権を分割の対象とする場合、財産分与の合意形成を行ったあと、年金事務所にて手続きを行う必要があります。私文書による財産分与協議書の場合、年金分割のために相手方から捺印等を求められますので、ここでも公正証書であれば、その公正証書をもって年金分割ができますので、財産分与協議書を公正証書で作成しておくことは一定程度のリスクヘッジになります。

    合意形成のポイント:円滑な交渉を進めるために

    財産分与において、合意形成は非常に重要なプロセスです。まず、夫婦それぞれの結婚生活中に築いた財産をしっかりとリストアップし、どの財産が分与の対象となるかを明確にすることが第一歩です。共同名義の財産や、貯蓄、不動産、債務などを具体的に整理することで、後の交渉がスムーズになります。財産分与の目的は財産を公平に分け合うことですが、その財産形成にどのくらい貢献したか、を数字化することは難しいと考えます。明確で合理的な結論になるような話合いが求められます。その中で将来の収入の変動や子供の養育費についても考慮した分与を行うようにしましょう。 

    司法書士からのアドバイス:トラブルを回避するための秘訣

    財産分与におけるトラブルを回避するためには、財産分与の内容を明確に書面にする必要があると思います。公正証書にすることも将来の権利を対象にする際には強制力を持てますので有効です。話し合いが硬直化してしまった場合、裁判所を通じた話し合いは時間とコストがかかりますので、専門家に入ってもらうなどしながらできる限り円満な解決を目指すことが良いでしょう。これまでの婚姻関係を清算してそれぞれが新たな生活をスタートされていく意味でも円滑な財産分与を行い、適切な財産の権利移転を行ってもらいたいと思います。弊社でもお手伝いをさせていただいておりますので、お気軽にお問合せ下さい。

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