司法書士さくら夙川事務所

家族信託で安心の資産管理を学ぼう

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家族信託で安心の資産管理を学ぼう

家族信託で安心の資産管理を学ぼう

2024/07/23

家族信託は、近年ますます注目を集めている資産管理の手法です。特に、少子高齢化が進む日本において、家族間での円滑な資産承継や、老後の生活を安心して過ごすための手段として、多くの人々が関心を寄せています。本記事では、家族信託の基本的な仕組みやそのメリット、実際に導入する際のポイントについて分かりやすく解説します。家族信託を正しく理解し、自分自身や大切な家族の未来を守るために活用しましょう。

目次

    家族信託とは?基本を理解しよう

    家族信託とは、財産を安全に管理保全し、適切に分配することができる仕組みです。相続や事業承継、生前の財産管理の手法として用いられています。家族信託を利用すると、受託者(信託財産を管理する人)に資産の管理を任せることで、高齢となった方の財産管理の不安を解消することができます。信託は設計の内容によりますが、高齢者の方の存命中の財産管理の手法として、つまり後見制度の代用の仕組みとして活用できたり、あるいは委託者(信託財産を任せる人)の亡き後、遺言の代わりとして活用ができます。家族信託をしておけば、 例えば、親が認知症になった場合でも、スムーズに資産管理が行えます。

    家族信託のメリットとデメリット

    家族信託のメリットの一つは、信託が持つ法的な機能です。信託を行うことで、意思凍結機能、受益者連続機能、受託者裁量機能、利益分配機能など長期の財産管理ができます。また信託することで財産の権利が信託受益権という権利に変え小口化しやすくなるなどの効果があります。委託者、受託者の財産とはならず、いずれが破産状態になっても信託された財産は保護されるという倒産隔離機能も有しています。これらの機能に付随する事項ですが、後見制度より柔軟でスピード感のある財産管理ができる点もメリットと言えます。一方デメリットもあります。まず、信託契約の締結には専門知識が必要で、安全な信託を行うためには公正証書にしておく必要があるため、組成コストがかかります。また税務上の申告なども複雑になるため、自身で財産管理するよりは様々な専門家コストがかかることもデメリットと言えそうです。特に税務上のデメリットとして損益通算ができなくなることや損金の繰り越しが認められないという面もあり、組成をするにあたり十分な検討が必要です。

    家族信託の手続きと必要書類

    家族信託を設定するには、信託契約書の作成が不可欠です(他に遺言書に信託することを記載して、遺言の効力発生を条件として信託を行うこともできます)。この契約書には、信託の目的、委託者(資産を信託に移す人)、受託者(資産を管理する人)、受益者(資産を享受する人)に関する詳細を明記します。委託者は個人を想定しておりますので、その方の推定相続人の調査、所有する財産の明細の確認が必要です。信託契約の内容をどのように作成するか、によりますが、基本的に委託者は個人であり、個人である以上相続が必ず発生しますので、相続が生じた際、どのような権利変動が生じるかを可視化する必要があります。公正証書の作成と受託者名での金融機関の口座開設を行いますので、実印や印鑑証明、権利証、本人確認資料の準備も必要となって参ります。 

    家族信託を活用した資産管理の実例

    弊社でも家族信託を活用した資産管理の事例があります。 例えば、Aさんは80歳を超えるお母様のために、家族信託を設計しました。お母様は認知症の初期症状を示しており、将来的な財産管理が不安でした。そこで、Aさんは自らを受託者とし、母の財産を信託財産として設定しました。この信託により、Aさんは母の不動産や預貯金を管理し、必要な介護費用を確保することが可能となりました。 施設に入居される際には自らが受託者として不動産を売却し、その売却代金を施設入居費用に充てられ、母の安全な生活を確保された事例があります。他には、障がいをお持ちのお子様のために親が子供のために信託契約を締結した例、財産管理を十分に行う知識がない者が相続した不動産をある程度知識等を身に着けるまで親が財産管理を行うために信託契約を締結した事例などがあります。

    家族信託の未来と今後の展望

    平成19年に信託法が施行されて以来、従来の商事信託ではなく、家族間で信託を行う家族信託は普及しはじめ、昨今は非常に多くの事例が出て参りました。それと共に紛争になるケースなどいくつか訴訟事例等も生じており、制度としては少しずつ成熟してきた感があります。信託契約をどのような関係、役割の中で締結するのか、税務上の申告の問題をどのように手当するか、など色々な留意点はありますが、現状の日本の法律制度、認知症の問題等を考えたときに非常に有効な手法であることには間違いないので、ますますの利用が見込まれると考えます、信託契約を実際にせずとも、家族間で将来のことを見据えた財産管理に関するコミュニケーションをとる機会と捉えていただき、安全な資産管理を実現してもらいたいと思います。

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