中小企業で、日本をどう再興するか
2026/10/26
中小企業で、日本をどう再興するか
~経営者から始まる人づくりの循環~
これまで3回にわたり、私の志、数字で見た日本の今、そして父から受け継いだ命とルーツについてお話ししてきました。
では、受け継いだこの国を、具体的にどうやって次の世代へつないでいくのか。今回は、私が「日本再興の鍵は中小企業にある」と考える理由と、さくら夙川事務所がそこで何を担うのかをお伝えします。
■ 中小企業が直面する、これからの現実
これから日本は、さらに厳しい局面を迎えます。
国の推計では、15〜64歳の働く世代の人口は、2050年には約5,540万人、2070年には約4,535万人まで減るとされています。働ける世代そのものが、目に見えて少なくなっていくのです。
さらに、心の不調を抱える方も増えています。精神疾患で医療機関にかかっている方は、2002年の約258万人から、2023年には約603万人になりました。働きたくても、働き続けることが難しい方が増えているのが現実です。
こうした中で、最も苦しくなるのは中小企業です。給料も、設備も、福利厚生も、多くの場合、大企業には及びません。いわゆる「映える」職場でもないため、若い方に選ばれにくい。中小企業は、働き手の確保どころか、組織の維持すらままならなくなっていくと、私は予想しています。
■ 外国人労働者に頼る前に、すべきこと
2025年10月末時点で、日本で働く外国人は約257万人と、過去最多になりました。日本で暮らす外国人も、2025年末には412万人を超えています。
日本人が減るからといって、外国人労働者に依存していく。私は、そうした国の政策や考え方に、強い不安を感じています。
日本は、高度経済成長期も含め、外国人労働者に大きく頼ることなく発展してきました。これほどの規模と速さで外国人が増えていく局面は、これまでの日本にはありませんでした。
これは、外国の方を否定する話ではありません。私は、それぞれの国の人が、それぞれの故郷で誇りを持って豊かに暮らせることこそが、世界を良くする道だと考えています。日本人がまず自らの本来の力と誇りを取り戻し、この国を立て直すこと。それが、日本が世界に果たせる役割だと信じています。
日本人がその技術力を保ち、世界をリードしていくためにも、誇り高い日本人としての気質を失ってはなりません。
だからこそ、安易に外国人労働者を受け入れ、その労働力を活用するのではなく、まず私たち経営者がすべきことがあります。まだ力を発揮できていない日本人が「ここで働きたい」と思える職場をつくること。経営者自身が器を広げ、「ここなら自分の居場所がある」「安心して成長できる土壌がある」と感じてもらえる会社をつくることです。
そのためには、会社がどこへ向かっているのか、今どんな状況にあるのかを、働く人がはっきりと分かるようにしなければなりません。経営指針書や経営計画を、言葉にして示すことが必要だと考えています。
■ 日本を支えてきたのは、中小企業
日本の会社の99.7%は中小企業です。大企業の製品を下支えしている高いものづくりの技術も、その多くは中小企業が担ってきました。
中小企業で働く人が、心身ともに健康で、誇りを持って働き、しっかりと所得を得られるようになる。それが、日本再興の循環の第一歩だと考えています。
■ 経営者から始まる、人づくりの循環
その機運を興せるのは、中小企業の経営者です。
経営者が本気で人の可能性を信じ、人を育てられるようになる。そして、日本人が昔から大切にしてきた仕事への向き合い方や、人としての在り方を、社員にしっかりと伝え、共感してもらう。
心から理解し、共感した社員は、その価値観を自分の家庭に持ち帰ります。家庭で実践し、自分の子どもに伝えていきます。
一つひとつの家庭が自立し、家庭の中で人を育てられるようになれば、その子どもたちは学校でも価値観を分かち合い、協力し合うようになります。学校そのものが変わり、子どもたちが挑戦できる場になっていく。
経営者が変われば社員が変わり、社員が変われば家庭が変わり、家庭が変われば子どもたちが変わり、やがて地域と国が変わる。根っこから変わっていくことで、日本という國は、本当の意味で復活していくと信じています。
■ さくら夙川事務所が担うこと
私たち司法書士は、会社の登記や不動産の登記など、会社と経営者の人生の節目に立ち会う仕事です。けれど私たちは、手続きの部分だけを支える事務所で終わるつもりはありません。
一つ目は、経営の軸づくりの伴走です。
経営指針書の作成をお手伝いするとともに、私が学んできた日本の歴史、綜學、やまとことば、日本の文化、武士道精神、東洋哲学を、経営者の皆さんにお伝えしていきます。明治維新を興した志士たちが、どのような価値観を大切にし、何を志して時代を動かしたのか。経営者の皆さんと共に学び、それぞれの会社の在り方に活かしていきたいと考えています。
二つ目は、真の健康経営の伴走です。
社員のパフォーマンスが落ちる、心の不調を抱えてしまう、経営者自身がぶれてしまう。私は、その背景に食の影響は決して小さくないと考えています。食は、心と体の土台です。
認定を取るための健康経営ではなく、中小企業が日本のリーダーとして社会を変えていくための、真の健康経営が必要です。社食や、社員向けの食の勉強会を通じて、正しい食の知識を届けていきます。
三つ目は、農業に触れる働き方の伴走です。
日本の食料自給率は、カロリーベースで38%(令和6年度)にとどまっています。食を他国に頼り続けることへの備えとして、中小企業で働く方々にも農業に触れていただきたいと考えています。
デスクに座り続ける会社ではなく、ときに農作業、ときに食事、ときに仕事。そんな本当の意味でのワークライフバランスを追求する企業に、伴走していきます。
■ 結びに
こうした価値観を、私はこれからもSNSやこのブログで発信し続けます。
これからの若い方々に選ばれるのは、給料や見た目の良さだけを打ち出す会社ではないと、私は考えています。日本が今どんな現実にあり、この先どこへ向かうのか。そこから目をそらさず、日本のこと、人としての在り方を、自分たちの言葉で正面から発信する会社こそが、選ばれ、強くなっていく。私はそう信じています。
「国家」という言葉には、「家」という字が入っています。
日本を立て直すには、教育からだと私は考えています。けれど、その前に、それぞれの家庭を立て直さなければなりません。家庭を立て直すには、家庭を支えるお父さん、お母さんが、しっかりとした会社で育てられ、この国のことを学ぶ必要があります。そして、その会社が良くなるのは、経営者が社員と真剣に向き合うことからです。
中小企業が善くなることが、日本の再興につながる。
まずは私たち自身が、働きたいと思ってもらえる会社をつくり続けます。さくら夙川事務所自身もそのような事務所づくりを当然目指して進めます。
そして、さくら夙川事務所は必ずその一助を担うべく、日々社員と共に取り組んでまいります。
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出典
働く世代の人口の推計:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」
精神疾患の患者数:厚生労働省「患者調査」(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部の資料による)
外国人労働者数:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」
在留外国人数:出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」
中小企業の割合:中小企業庁「中小企業白書」
食料自給率:農林水産省「令和6年度食料自給率・食料自給力指標について」(2025年10月10日公表)
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